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2022.02.08 ESD関連ニュース □ESD資料・教材 

【資料公開】幼児期の室内空気汚染物質ばく露と精神神経発達との関連:子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)について

国立環境研究所や長崎大学による研究チームは、歳時点での室内汚染物質濃度が高いことと精神神経発達指数が低いことについて関連があることを発見しました。
大気汚染物質は、呼吸器や心血管系への影響に加えて、胎児期から幼少期の大気汚染物質ばく露が、発達の遅れや生涯にわたる精神神経発達に影響する可能性が指摘されています。
この研究は、環境省と共に各関係機関が協働して実施している子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)として実施されました。

 


 

 国立環境研究所エコチル調査コアセンターの中山、長崎大学熱帯医学・グローバルヘルス研究科MadaniyaziおよびXerxesらの研究グループは、子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)の詳細調査参加者約5,000人を対象に、1歳6か月時と3歳時で測定した室内空気汚染物質と質問票で得られた精神神経発達指数(ASQ-3スコア)との関連について解析しました。その結果、3歳時点での室内汚染物質濃度が高いこととASQ-3スコアが低いことについて関連があることがわかりました。
本研究の成果は、2021年11月26日付でElsevierから刊行される環境保健分野の学術誌「Environment International」に掲載されました。
※本研究の内容は、すべて著者の意見であり、環境省及び国立環境研究所の見解ではありません。

1.発表のポイント

・家庭訪問をして測定した1歳6か月時、3歳時の室内空気汚染物質ばく露※1と、子どもの発達との関連を調べました。
・ASQ-3という保護者が回答する質問票による発達指数については、3歳時点で室内キシレン※2濃度が高いほどASQ-3スコアが低くなることがわかりました。
・複数の室内空気汚染物質をまとめて解析した結果、3歳時点での室内汚染物質濃度が高いこととASQ-3スコアのうち粗大運動に関するスコアが低いことについて関連があることがわかりました。

2.研究の背景

子どもの健康と環境に関する全国調査(以下、「エコチル調査」)は、胎児期から小児期にかけての化学物質ばく露が子どもの健康に与える影響を明らかにするために、平成22(2010)年度から全国で10万組の親子を対象として開始した、大規模かつ長期にわたる出生コホート※3調査です。母体血や臍帯血、母乳、血液、尿、乳歯等の生体試料を採取し保存・分析するとともに、全国からランダムに選ばれた約5,000組の親子を対象に詳細調査※4を行い、子どもの健康と化学物質等の環境要因との関係を明らかにしています。

エコチル調査は、国立環境研究所に研究の中心機関としてコアセンターを、国立成育医療研究センターに医学的支援のためのメディカルサポートセンターを、また、日本の各地域で調査を行うために公募で選定された15の大学等に地域の調査の拠点となるユニットセンターを設置し、環境省と共に各関係機関が協働して実施しています。

大気汚染物質は、呼吸器や心血管系への影響に加えて、脳への影響も報告されています。特に、胎児期から幼少期の大気汚染物質ばく露が、発達の遅れや生涯にわたる精神神経発達に影響する可能性が指摘されています。

本研究では、エコチル調査のデータを用いて、1歳6か月時点と3歳時点での家庭の空気汚染物質の濃度と、子どもの発達との関連について調べました。

 

※詳細な研究結果につきましては、以下のURLよりご覧いただけます。

 

幼児期の室内空気汚染物質ばく露と精神神経発達との関連:子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)について
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20220125/20220125.html

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