本年度も福岡県大牟田市に於いて「地域ESD学びあいフォーラム」を開催しました。
持続可能な地域づくりに向け、ESDに積極的に取り組む九州の高校生が、その課題意識や解決への実践について活動紹介を行いました。またESDに関する有識者によるアドバイスも行われました。
大牟田市教育委員会によるESD全国実践交流会の分科会として行われたことから、多数の教育関係者にも聴講いただき、ESDについての学びが深まったフォーラムとなりました。
生徒の皆さんの思いや、助言を頂いたアドバイザーの声をまとめたレポートをお届けします。
■日 時:平成30年8月22日(水)13:30~15:00
■場 所:ホテルニューガイア オームタガーデン
(福岡県大牟田市旭町3-3-3 電話:0944-51-1111)
■入場料:無料
■プログラム概要
高校生によるESD活動実践紹介レポート
福岡県立ありあけ新世高等学校
「お好み焼き(ダゴ)で地域おこしを頑張る『てっぱん部』の活動」
最初に発表を頂いた、福岡県立ありあけ新世高校は、平成15年、地元大牟田市に新設された筑後地区唯一の総合学科高校です。
「新世生よ、人生のプロデューサーたれ!」という校是、学校ビジョンがあり、その中には「地域に根ざして活躍することに静かな誇りを持て」という文章があるそうです。
活動を通して地域の一員として何ができるかを生徒自身が考えた結果、「てっぱん部」の活動が始まったとのこと。
大牟田市はお好み焼き屋が多いことが知られ、大牟田市の魅力を生徒の視点で再発見しようと店舗の数を調査した結果、人口あたりのお好み焼き屋の数は10万人あたり、約30件と福岡県で最も多いことがわかりました。
そこでお好み焼きを通して街おこしができないかと考え、地域活性化を目標に生徒オリジナルのイベントを開催し、オリジナルお好み焼きを無料提供することで街を盛り上げています。
平成22年には「地域の人々から愛されるご当地グルメで街を元気に」という目標を掲げて、ボランティアグループとして「てっぱん部」が結成、平成24年にはこれまでの活動をさらに発展させるため、「てっぱん部」は部活動となっています。
地元の商工会議所や、地域の実行委員会などが主催するイベントをメインに、老人福祉施設の秋祭りや地元の大学の学園祭などにも参加しています。
また中学校の総合学習や、公民館の小学生を対象とする学習会にもゲストティーチャーとして出演しているそうです。
日頃の基本練習として声出しを行い、これはイベントと大牟田お好み焼きをアピールするパフォーマンスです。。
また、タオル返しとは水で濡らした重いタオルをお好み焼きに見立てひっくり返す練習で、フォーラム会場でもご披露いただきました。
「てっぱん部」は地元の企業や会社から多くの支援を受けており、地域貢献活動を支援している地元ガス会社から街おこし活動の応援として、ガスを支援していただいているようです。
地元企業経営者団体が、社会貢献活動の一環としてガス台付き鉄板、パーカーなどを支援、地元のお好み焼き店は、毎年お好み焼き実習を受け入れています。
「てっぱん部」の活動が知られるようになると、地域の新聞や福岡県内のテレビなどマスコミからも取材を受ける機会が増え、さらに多くの方々に「てっぱん部」の活動を知っていただくことができたとのことです。また大牟田市役所、大牟田観光協会の観光パンフレット、DVDでも「てっぱん部」の活動が紹介されているようです。
また現在、大牟田お好み焼きマップの作成を計画しており、市内配布を検討しているそうです。
平成27年には世界遺産として明治日本の産業革命遺産が登録され、その中に三池炭鉱、宮原坑や三池港などの三池炭鉱関連施設が含まれています。
大牟田の街が盛り上がったことで、「てっぱん部」も新聞やテレビで取り上げられることが多くなり、イベントでも声をかけられることが部員の大きな励みとなっているそうです。
生徒の皆さんが「てっぱん部」に入って良かったと思ったことは
「たくさんのイベントに出ることでお客様の笑顔を見ることが楽しみになった」
「部員と調理することで絆が深まった」
「人前で発表することが苦手だったが地域のイベントへの参加を通して、今日のように発表することができるようになった」
など多岐に渡るとのこと。
発表の最後には「このように地域に学び、地域に育てられ、「てっぱん部」生徒は一人ひとりが学校や教科書で学べない、人と人とのつながりや暖かさを学んでいる。活動が知られ広がりが実感されることで、入部してよかったと思い、今後も地域活性化にすこしでも役に立てるよう頑張っていきたい。」と力強いコメントが有りました。
福岡県立城南高等学校 (ユネスコスクール加盟校・スーパーサイエンスハイスクール/SSH)
「ESD課題研究『最強果汁選手権』~最も汚れを落とす果物は何だ?~」
城南高校は、平成22年度よりユネスコスクール、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定されており、持続可能な社会の実現を共有テーマとして掲げ、様々な活動に取り組んでいる学校です。
現在はSSHユネスコ委員会、ESDセミナー、ESD課題研究の3つを中心に行っている。
その中でも、ESD課題研究は2年生全員が対象の活動で、文系、理系関係なく編成された4-5人の班で、課題設定から研究、調査、考察まで自分達で考えて取り組むものです。
今年度からSDGsから連想できる10の漢字がキーフレーズとして設定されており、生徒はそれを元にテーマ設定をし、研究調査に取り組んでいます。
今回発表いただいた生徒の皆さんは、「『最強果汁選手権』~最も汚れを落とす果物は何だ?~」というテーマで研究を行っています。
本来ごみとなる果物の皮や余分な果汁を掃除に利用することができれば、無駄が減り環境に優しいという課題意識のもと、果物について調べていく中で種類によって汚れを落とす成分が違うことがわかってきたとのことです。
たとえばミカンの皮には、油性の汚れを取り除く力が強いリモネンが含まれていたり、リンゴにはアルカリ性の汚れを落とす力が強いリンゴ酸が含まれています。このような含まれる成分の違いによって、それぞれの果物の汚れの落ち方に差が出るのではという仮設を立て、実験に取り組まれました。
使用した果物はリンゴ、モモ、キウイ、レモンの4種類で、ふだん良く食べられるものを選び使用。
実験の中の反省として、PHを測っておくとより違いがはっきりすることや、また果汁だけでなく皮の成分についても実験するなど、試行錯誤があったようです。
実験を踏まえたまとめによると、果物の中ではミカンの皮が一番汚れを落とした。果物によって皮で汚れを落とすものもあれば、果汁で汚れを落とすものがあったとのことです。
合成洗剤を使うよりも、ミカンのような自然由来のもので汚れを落とすことができれば、体にも優しい安全な洗剤となり、さらに環境への影響も減らすことに繋がると考えた生徒の皆さん。
果物と汚れの性質を徹底的に調べることでより効率の良い果物と汚れの組み合わせ、方法を見つけ実際に生活に取り入れることができるのではないかということに注目されました。
生徒の皆さんは、ESD課題研究をして、地球の環境や持続可能な社会について考えるようになり、最近は大量のゴミによって埋立地が足りなくなっていることや、温暖化、オゾン層破壊などの環境問題にも関心を持つようになったとのことです。
発表の中では「このような考え方は意識すれば誰もができることだと思う。だから私達がちょっと意識を変えるだけで世界は変えられると思う。私達はこの研究を通して、少しの意識が世界を変え、持続可能な社会を作ることができると感じられるようになった。」と、ESDの概念を捉えられていました。
長崎県立対馬高等学校
「絶滅危惧種のチョウの保護に取り組む『ユネスコスクール部』の活動」
最後に発表いただいた、対馬高校は今年度113年を迎えた歴史ある学校で、平成15年に離島留学制度による国際文化交流コースを新設し、韓国語や韓国の文化について専門的に学ぶことができる高校です。
平成27年に長崎県で初のユネスコスクールに認定されたばかりで、ユネスコスクール部は今年の4月に新設されたばかりです。
ユネスコスクール部は日韓ビーチクリーンアップに参加。韓国の大学生やボランティアと協力し、大量のゴミを拾いながら、対馬の現状を調査しています。7月には海洋ゴミ交流事業で五島列島の活動を行っています。
そして今最も力を入れられていることが絶滅危惧種の保護活動です。
4月に対馬市役所の新宮氏から島に関する講義を受け、そこで対馬にいる絶滅危惧種のチョウ、ツシマウラボシシジミの存在を知ったとのこと。
このチョウは日本では上対馬にだけ生息し、成虫が好む生育環境の悪化、シカの食害による幼虫のエサの減少から、日本で最も絶滅の可能性が高いチョウと言われています。
幼虫のエサはヌスビトハギやケヤブハギで、元々はどこにでもある雑草ですが、それさえもシカに食べつくされてしまうほどシカの食害が深刻な状況のようです。
ユネスコスクール部は検討の結果、幼虫の餌となるケヤブハギやヌスビトハギを育てることをスタート。
対馬市役所でケヤブハギの植え替えを行い、合計1000本近くを植え替えています。
「自分達が植え替えた苗が成長しているのを見ると嬉しくなる一方、枯れてしまい残念なところもあります」とのこと。
8月にはツシマウラボシシジミの保護区へ行き、私達の育てたヌスビトハギやケヤブハギを植えています。地元NPO、対馬市役所、立教大学学生と協力し100本のケヤブハギと、私達がヌスビトハギを植える活動を行いました。
生徒の皆さんが一番印象に残っているのは、チョウの幼虫とアリの共生。チョウの幼虫は甘い蜜を出すことでアリによって外敵から身を守っているということに興味を持たれたようです。
島外からの移住者と交流し、田んぼのオーナー制度を通じツシマヤマネコのエサとなる生き物が住みやすいよう農薬を抑えた農法で稲作するツシマヤマネコ米をブランド化していることを知ったユネスコスクール部。
ツシマヤマネコは以前は地域の人からは厄介者と捉えられており駆除されていましたが、米がブランド化されることで高値で取引されるようになり、地域の方からのヤマネコに対する理解も深まっているようです。
これからの取組みの目標として、今回の活動の成果により、ツシマウラボシシジミの数がどの程度増えたかをを調査したいとのこと。
また、今回交流した大学生とスカイプなどで意見交換を行ったり、専門家からの指導、助言の機会を作ることや、ツシマウラボシシジミを更に内外に知ってもらう活動を考えておられるようです。
ユネスコスクール部は、4月に新設されたばかりの中、不安も多かったそうです。
その中で、部員、対馬市役所など関係者の方々、顧問の浦谷先生がいてくれたことへの感謝があり、わずか4ヶ月の間でも恵まれた環境でたくさんのことを吸収し学んでこられたのこと。
最後には「誰もが皆、社会の一員となり、このような取り組みを続け、私達にできることを役割として捉えていきたいと考えている」と、持続可能社会に対する強い思いが語られました。
~トークセッションから~
講評
北九州まなびとESDステーション 宮原 昌宏 氏
佐賀県教育庁 学校教育課 田原 幸男 氏
宮原
先日マイプロジェクトのスタートアッププロジェクトに城南高校から参加があった。
マイプロジェクトは慶應義塾大学藤沢キャンパスにて井上教授が、順調な大学生のプロジェクトと不調なプロジェクトの差異に比較し、順調なプロジェクトは社会課題と「なぜ自分自身がやりたいか」が、あやふやではなく、しっかりと繋がっていることに注目。
高校生にも社会の課題と自分を繋げることで、皆で学んでいくような文化を作りたいということで、全国マイプロジェクト応援チームが動いている。
そういう意味で本日3校の話を伺って、大変興味深い。
スタートは社会課題。大牟田の街をどう元気にするか、目の前のチョウがいなくなることから自然の変化をどう感じるか、あるいはSDGsを身の回りのことにぶつけたらどうなるか。社会課題を入り口に研究や活動をされたと思う。
マイプロジェクトの観点から述べれば、なぜそれを自分がやりたいかを繋げることが重要。そのあたりのことを伺いたい。
「てっぱん部」に伺いたいのは、ESDというのは、まさしくリアルな課題に向き合う中でいろいろなことに挑戦しながら学ぶこと。実際社会、地域と活動する中で、大変なことがあったと思う。
乗り越えた大変なこと、乗り越える上で原動力になったことはなんであったか。
福岡県立ありあけ新世高等学校
いろいろな地域のイベントに参加してもらう際に、イベントによって環境が異なり、狭かったり、天候に左右されたり大変な面があった。
そこに来てくれた方々から、「今日は『てっぱん部』のために来た」、「お好み焼きが美味しかった」などの声かけが嬉しく、部員の励みになった。
地域の人に喜ばれるにはどうしたらいいかを考え、大牟田をもっと盛り上げていきたいという気持ちになった。
宮原
素晴らしい。地域の人との関わりは学校生活だけではそこまでなかったと思う。
大牟田市はユネスコスクール推進されているので、他の地域と比較すれば、比較的地域とのふれあいは強いと思う。
地域の人の笑顔、喜んでいただいた経験を通して、大牟田に対しての自分の気持や愛着はどうなったか。
福岡県立ありあけ新世高等学校
私は大牟田出身ではないので、全然大牟田市のことを知らず、ダゴについても知識がなかった。
この部活を通してとても大牟田が好きになって、地域の方々ともっと関わりたいなと、大牟田をもっと色んな所に知らせていければと思うようになった。
宮原
地域と関わることで、地域の人達から反響があり、そのことで地域の人になにかやりたいという循環ができている点が素晴らしい活動。
城南高校はSDGsに注目している。企業も関心が高い分野であり至上命題となっている。
その中でSDGsに充てた漢字があり、その中から果物に関心が高まったのはなぜか。
福岡県立城南高等学校
漢字になったのは今年から。
城南高校の課題研究が始まって3年目だが、過去の2年は動詞であった。私達は「暮らす」という動詞から、掃除となり、そのなかで掃除に使えるものとして注目したのが果物の皮。
宮原
発表を伺って思ったのは、一回実験してみて何か違いがあり、工夫を繰り返しておられた。その中でどんどん学びが深くなっている、または探究心が湧いているところが素晴らしいと思った。
その中で勉強していく上でのモチベーションが沸き立つ瞬間があったと思うが、驚き、感動は活動を通してあったか。
福岡県立城南高等学校
発表の中でPHを調べてといのがあったが、あれが科学の分野。
学校の授業と繋がった瞬間は面白いなと思った。
宮原
科学の先生に学びの楽しさがそこにあることを伝えたい。
対馬高校では離島留学を通して違う出身、違う分野の生徒、韓国の大学生と一緒にやる経験は、皆さんにとってはどんな発見、どんな刺激となったか。
多様なエリアの多様な人と集まることから、気づいたことはあるか。
長崎県立対馬高等学校
対馬は毎年30万人の観光客が韓国からやってくる。帰宅時も韓国人と合うことはごく普通のこと。
実際に交流することで、海洋ゴミ問題について話し合ったり、実際に去年からワークショップ等で韓国の大学生の方と交流したりする中で、対馬のゴミ問題に韓国の人も心を痛めていることがわかり、対馬だけの問題でないと改めて感じた。
宮原
違う文化、違う価値観の人と、一つの課題を共有し、解決する活動をすることが生まれたことが素晴らしい。
田原
去年まで現場で教えていたので、高校生と触れ合うのが楽しい。
「てっぱん部」では、なぜ広島、大阪ではないのかという疑問から始まった。この部分は解決できる。
昔は炭鉱が多く、エネルギーがどうしてもほしい。けれども食料がない、というアイデアから生まれたのではないかという推察はできる。このあたりは調べれば解決できる。
「なぜ」というところを最初に持ってきて、そこからストーリーを積み上げると、大牟田の歴史、世界遺産になった経緯にストーリーが生まれそう。
この「なぜ」という部分を掘り下げて、共通認識した上で、楽しい活動をしてほしい。
異世代と交流することで、実践的に人を磨くことをやられている点も素晴らしい。
大人もわがままも言う中で笑顔で返し、そういった経験も共有できる仲間がいることが素晴らしい。
次に城南高校。最強果汁選手権というタイトルがかっこ良い。
身近な気付きから発見をし、それから課題研究を選ぶ際に、果汁の勉強を絶対しようとして始めたか。
そうではないと思う。
たまたまやってみたところが、実際は少し違うぞ、辞めたいとおもったことはないか。
福岡県立城南高等学校
最初は布に垂らすのではなく蛇口の汚れが落ちないか調べたが、あまり結果が出ず、バナナを使って逆に汚れてしまったりして大変だった。「どうしよう」と思ったことはあった。
田原
多分、すごくいろんな壁にぶつかりながら、それでも諦めずに最後までやったことが素晴らしい。
その中で嫌だったこと、苦労したことをフィードバックしてほしい。
実験の結果を、できれば、何日ごと、こういう湿度のときになどすれば、信憑性がある研究にできるかと思う。
そのあたりは表現であり、データはお持ちだと思うので使い方次第。
気づきを深く見ていくと、歴史的も発見があって、楽しさが研究にフィードバックできる。
その情報が異世代の方と共有できたり、企業と共有できたりといったところに繋がってくる。
気づきを大事に、今後も頑張って頂きたい。
対馬高校では、まずユネスコスクールがかっこよい。個人的には登録したかったができなかった。
話を聞けば活動をしてまだ4ヶ月とのこと。苦しかったと思う。
フィールドワークに行くときも、カッパを着たりしたこともあるだろう。足元が滑ってしまうときもあったと思う。
そんなに泥や汗まみれになっても一つのことに取り組む高校生は素敵だと思う。
その中で地元の協力を得ながらということころは、根っことして人との出会いというのが影響したところが多いのではないかと思う。
例えば「保全活動をされている方の熱い想いに応えたい」、というように思ったことはあるか。
長崎県立対馬高等学校
対馬市役所の植物に詳しい新宮さんは、もともと対馬の人ではなく、対馬に移住した方。
それなのに私達よりも、対馬の植物であったり、土の硬さのことをよく知っていた。
新宮さんのパワーに圧倒されて、「私達もやらなくてはもったいない」という気持ちが一番あったと思う。
田原
3校とも、指導者であったり地元の商工会だったり研究者だったり、自分の殻を破って少し踏み出してみたらすごい人と出会ってしまい、それがパワーに変わって頑張れる。
普段の生活をしていたら見えないところ。一歩踏み出して勇気を出したからできたこと。
出会いと人の思いを大事にしながら、自分達で未来を築いていくという気持ちは、ずっと持ち続けてほしい。
トークセッションのまとめ(高校生への応援コメント)
宮原
学びの源泉は感動や驚きから生まれる。
「かけがえのないチョウがいなくなる。どうしよう」、といったところから、「学びたい」と思うモチベーションが生まれると改めて思った。
多様な人、街の人とこの街をどうするのか。
他の地域から来て違う街の大人だけれども、この人たちの笑顔を見ていて、「この街をどうにかしないと」というような、多様な人と何か一つ共通の目的に向かったチャレンジが、成長につながる。
SDGsによって、今までの既成概念にとらわれず新たな視点で物事を作っていかなくてはいけないということは、今までの大人の中には正解、アイデアがない。それは高校生の中にこそ可能性がある。
その中でSDGsというテーマから新商品が生まれる、というような可能性を城南高校から感じた。
そういう意味では、未来は皆が主役になって作っていく。そのために大人をどう使うか、また大人とどう協働していくかということを、改めて皆さんの経験の中で今日、発見があったのではないかと思う。
何かを教えるということは私にはできないので、皆と一緒に高校生を応援する立場として、これから一緒に楽しい未来を創れたらいいなと思っている。
素敵な発表をしていただき御礼申し上げる。
田原
「気付いて、築く人」になっていただきたいなと思った。
既に気付いているので、後は自分たちの行動を築いて積み上げていくだけ。
「未来を私たちから変えるのだ」という大きな目標だが、単に今やっていることを少しずつ増やしていけば、みんなの未来につながっていくのだという意識を忘れず、一緒にがんばっていけたらと思う。
応援しているので、これからも頑張って欲しい。
【まとめ】
二名の先生からは、意欲的に活動に取り組む3つの高校の生徒の皆さんへ、熱いエールが送られました。
今回発表されたESDの取り組みを聴講された教育関係者の皆様にも、今後ESDの可能性や地域課題と学校との関わりについて、大きな示唆、ヒントがあったフォーラムとなったのではないかと思います。
九州地方ESD活動支援センターは、今後も九州・沖縄各県のESDについて、広がりある支援を行ってまいります。